安心・安全な水は情報公開から
泡消火剤に含まれるPFOS・PFOAなどの薬剤が、5月初旬に横須賀基地から、そして9月末には厚木基地の排水から検出されています。本来、排水にこれらが含まれていた場合、行政としては現地調査を行い、排出原因の究明を行う、もしくは行政命令を排出先に出すなどの対策を講じますが、原因が米軍基地内であることから、防衛省を通じ口頭での要請に留まっています。
横須賀基地からの排水は、米軍の調査分析では5月より7月の方が検出される値が増えており、暫定基準値を超えていることも明らかになっています。海水により希釈され、排水口から離れた地点の防衛省の分析結果は基準値以下だったことから、県として積極的に調査分析をしていません。さらに、横須賀市は中核市であり水質管理は市の管轄のため、県として口を出すことは出来ないと言います。しかし、防衛省の分析はどの海域から採水したかにより数値が変わることや、米軍からの結果公表が分かりにくいなど、市民の不安を払拭する情報公開とはなっていません。県として横須賀市と連携して対応すべきです。
さらに、米軍から9月25日に厚木基地で検出されたとの報告があり、市民への公表は27日でした。分析結果を待ってからの公表と言いますが、これが命に関わる事態だったとすれば、公表に2日以上かかっていては、惨事になることも想定されます。正しい情報を提供することは必要ですが、その判断基準を事前に示していくなど、市民の安全確保・情報公開のあり方は早急に対策を講じるべきと考えます。基地周辺に住んでいる市民は、基地内のことについては詳細不明と言われ続け、常に不安と隣り合わせにいることを考えると、丁寧で迅速な対応が必要です。
県は「二度とこのようなことのないように対応していきます」と言いますが、水は命に関わり、あっという間に多くの人に影響します。基地内にも入れず、何を持って二度とないと言えるのか、全くわかりません。行政として水質を守るために緊張感を持ち、検証を進めるよう要望し、さらに近隣自治体に住んでいる市民の不安を取り除くよう提案を続けていきます。