「きょうだいさん」も相談できます

2015年の児童福祉法の一部改正により、小児慢性特定疾病対策が含まれ、対象児童の自立を支援する事業をはじめ、家族等への相談や支援事業を法定化する等の措置が講じられています。これを受けて、県でも保健福祉事務所に相談窓口を設置してきました。しかし、それだけでは充分とは言えない状況でした。

県内では小児特定疾病医療費を受給している子どもは約7000人にのぼります。長期療養する子どもだけでなく、そのきょうだいも不安を抱え、甘えたい気持ちなど自分の感情を抑え込んでしまったり、生活にも少なからず影響が出ていることはあまり知られていません。2021年3月県の予算委員会で、障害や疾病を持つ「きょうだい」の支援の必要性を訴えました。

県では今年5月から、小児慢性特定疾病など慢性的な病気を抱える子どもの家族の方への相談窓口をピアサポートで開設することが決まりました。事前予約制で、対面・オンライン・電話と選べ、対面の場合は昨秋に横浜金沢区にできた「横浜こどもホスピス~うみとそらのおうち」で行います。この施設は、子どもを中心にした家族での時間を過ごせることができる、大阪に継いで2番目の施設です。病棟には入れないきょうだいも共に遊び、当たり前の日常が過ごせる場です。この場所で、きょうだいも家族も含めた相談事業が開始されることは、とても意義深いと考えます。

最近は、親や祖父母、きょうだいの介護を担っているヤングケアラーの相談支援の充実が提案されています。今回のピアサポートの相談窓口は、ケースによってはヤングケアラーの受け皿になるものです。4月10日はきょうだいの日に制定され、きょうだい児への支援を広める活動をしています。すべての子どもが、どのような環境であっても、自分らしくいられる環境整備をこれからも提案していきます。