コロナ禍と貧困、炊き出し現場のいま~BIGISSE LIVEに参加して~
新型コロナ感染症が拡大し初めて2年が過ぎようとしています。フードバンクかわさきの活動でも、今冬くらいから届ける件数が増えています。池袋を拠点に炊き出し活動しているNPO TENOHASHI 清野事務局長から話を聞きました。
2009年リーマンショック時の炊き出しは最大330食だったのに対し、2020年コロナ感染が始まった年は220食程度で収まっていたのですが、様々な行動自粛により今月はとうとう497食過去最高となったそうです。最近の特徴として、住んでいる家はあるがシフトが減り、仕事量の回復が見込めず貯金の底が見えてきたため食費を切り詰めたい。そんな声が増えているとのこと。ワクチン接種券が配布されたとき、1/3はホームレスだったが、2/3は家に接種券が届いていたそうです。住居を失わないための相談充実は喫緊の課題になっています。
さらに情報の貧困については、スマホは仕事を探す道具であり、情報を入手するまで手が回らない現状があるそうです。スマホから情報を入手するためにも電源・FreeWi-Fiの確保は深刻になっています。食料を届けるときにFreeWi-Fiがある場所で渡すこともあるので深刻さは理解できます。今年3月でセブンイレブンのFreeWi-Fiが終了してしまうので、その後の対応の緊急度は増しています。
20~30代の若者や若い女性が炊き出しに並ぶ姿が増えているそうです。飲食業の時短やコロナでの保育園休園など、若年層が貧困に陥る可能性はどんどん増えています。民間の支援団体だけでは支えきれなくなっている現状が見えています。どうにかしたい。と思っている市民も多くいますが、共助として市民に委ねる部分は、公的サービスだけではどうにもならない部分であり、まずは公助の充実からと考えます。オミクロン株の拡大により、生活が成り立たなくなる前に情報が行き届き、支援へ繋げるためにも、現場と連携しながら提案を続けます。