財政から考える介護保険

神奈川ネットでは、淑徳大学 鏡諭先生をお呼びして、財政から考える介護保険の問題を学びました。

 

2000年に始まった介護保険スタート時は、サービス提供は3.6兆円、保険料は2911円(全国平均)だったものが、前回計画改定時には、サービス提供は12兆円、保険料6014円(全国平均)になっています。サービス提供は3.3倍に対し、保険料は2.07倍。これは、支出過多になっていることを表します。では、どこを削減しているのかと言えば、人件費であり、サービス削減となっている現状があります。

 

厚労省では、基本報酬を上げることなく、様々な加算制度で報酬を上げていますが、対象とならない人との不公平感、加算対応できない事業者などがあり、介護人材の報酬アップには繋がっていない実態があります。しかし2035年に介護人材が79万人不足することは想定されており、介護人材確保、拡充には待ったなしの状態です。

 

一方で介護報酬をアップさせれば、介護保険料も上がることにもなります。しかし『50キロの人のトイレ介助が一人で出来ますか?1日3食の食事介助の負担を考えてみてください。』との問いからは、これから老々介護、独居高齢者が増えることを考えれば、多少の介護保険料を上げてでも、安心して暮らせる制度の充実は必要です。すでに介護保険を利用する人の多くから、介護保険があったことで生活が支えられた声も聞かれます。

 

すぐに介護保険制度を自治体だけで充実させることは困難ですが、まずは現状を調査すること、この制度が持続可能であり、高齢社会にとって必要なのもであること、これ以上のサービス削減は生活支援にならないことなど、多くの人と制度への共感を高め、持続可能な制度への提案につなげていきます。