子どもの育ちを地域で支える

子どもにとってのストレスは、子どもが発するシグナルを親だけでなく、周囲がキャッチしていくことが必要と言われています。昨年の神奈川県児童・生徒の問題行動・不登校等調査結果から、暴力行為の加害児童が小学1・2年生が増加しています。さらに、いじめの件数は減っているにも関わらず、小学1年生のいじめ認知数は増えています。暴力やいじめの原因は一つではありませんが、低年齢児童のストレスが増えているとの見方があります。

12月に、大阪市西成地区にある「こどもの里」を訪問しました。こどもたちの遊びと学びと生活の場として、乳幼児から18歳までの児童が集い支えられる場所です。西成という場で、子どもの権利が保障され、安心と人を信じる力を養うことのできるよう、学童保育、緊急宿泊、ファミリーホームや自立援助ホームも併設しています。家庭内に困難があっても、こどもの里から学校にも通えます。代表の荘保さんは、子どもの日常環境を変えることなく、安心して過ごせる場があることは、子どもの生き延びるための道に必要であると言われました。地域密着型の居場所が、孤育てにしない、家庭だけの問題にしないことは、「たすけて」と言えることなり、やがて自立につながっている実践の場でした。

まだコミュニケーションや感情のコントロールなどのスキルが身についていない低学年の子どもが、自分らしく、安心して過ごせる場が必要なことは、先の調査結果からも明らかです。地域のなかに、こどもの居場所が増え、子育てを地域全体で支えることのできる環境づくりを、これからも提案をしていきます。