「きょうだい」児支援にも『子どもの権利』の視点を

最近では親など介護や看病する「ヤングケアラー」が認識されてきていますが、病気や障害をもつ子どもの「きょうだい」の存在は、あまり知られていません。神奈川県子ども医療センターで、きょうだい支援をしているオレンジクラブさん、リラの家のみなさんが中心となって「きょうだい」支援をすすめるシブリングサポーター研修が神奈川で開催されました。

「きょうだい」が持つ感情として、不自由さや諦め、神経質、無力感、嫉妬心など様々にあります。さらに日々の生活のなかで幸せや満足、リラックスを感じることが、どうしても少なくなってしまう特徴があります。小学生の頃、障害のある子の将来の面倒を自分が見なければいけないと感じていた子どもは70%を超えるとのデータがあります。そのため将来結婚ができないと考えている割合も高く、自分だけ幸せになってはいけない。とも考えているそうです。研修を受けながら「子どもの権利」にある「ありのままの自分」でいることが難しい環境に置かれている現状を知りました。

どうしても注目されにくい存在になってしまい、自己肯定感が持ちにくくなります。だからこそ、子どもの持つ権利を「きょうだい」にも親にも知ってもらうことが重要です。当事者である子どもはもちろんのことですが、見えにくくなっている「きょうだい」支援のなかに、4つの柱、生きる・育つ・守られる・参加する権利を加えていきたいと考えました。

子どもの権利条約を批准し、条例を持っている川崎市でも、その認知度は高くありません。研修のなかでも「きょうだい」を支えるのは家族だけでは難しく、地域社会のなかで育つ環境整備についても現場から意見が上がっていました。地域社会のなかで、子どもの持つ権利の周知をすすめ、子育てを社会で支える環境の充実を提案していきます。