ヤングケアラーの課題解決にむけて

かわさき子どもの貧困問題研究会主催のヤングケアラー支援制度を考える学習会に参加しました。研究会は子どもの貧困問題が明るみになったとき、行政や様々な機関職員、弁護士など、地域でできることを模索し実行する会として立ち上がっています。

神奈川ネットでも、ヤングケアラーオンライン相談を行っていますが「自分はヤングケアラー」と認識している子どもは、まだまだ少ない現状です。定時制高校教員のパネラーからは、「発見するのは学校が大きな役割を果たせると思う。しかし、その後、どの機関に繋げたらよいのか制度がないため、現状ではわからない。」と本音が聞こえてきました。また、児童相談所の福祉司からは「地域で支え合うときの困りごとの相談も専門機関として児童相談所を活用してほしい。また、どうしてあげたいか。ではなく、子ども(当事者)の子どもがどうしたいのか。主語は子どもであることが必要な視点。」と言われ、子どもの権利の子どもが主体であることの大切さを確認しました。「どんな課題も一瞬で解決することは出来ない。だからこそ、寄り添う大人の存在が子どもの支えになる。」と地域で子どもの居場所や校内カフェを行っている支援者からの発言にも説得力があります。

ヤングケアラーの問題は、一つの機関だけでは解決できない事例が多く、多機能連携が必要になっています。学校と福祉の連携が重要なポイントでもあり、福祉制度のなかでも連携することが必要です。残念ながら、まだまだ制度ごとの大きな壁がありますが、ヤングケアラーの課題解決には、制度や機関の横串となる存在が必要と考えます。家族全体を支える視点でのソーシャルワークの拡充をこれからも提案し、地域資源の充実を図っていきます。