協力金は飲食店だけ?~補正予算審議から

 新型コロナウイルス感染者数が増えつづけ、政府は1月8日に神奈川県を含む一都三県に緊急事態宣言を発出しました。飲食時の飛沫により感染が拡大しているため、県では飲食店に時短営業を要請し、協力金として1日6万円、最大1ヶ月162万円を支払うための、543億円の補整予算を9日深夜の臨時本会議で決定しました。時短要請がすでに発出されていた横浜と川崎市のお酒を提供していた飲食店とカラオケ店と、それ以外の県域や飲食店への協力要請の差異について、日を跨いでの議論が重ねられました。

 検体数が増え感染者数が増えることは想定されていましたが、それ以上に医療崩壊が迫っていることが課題です。今回の宣言により、感染者数を減らし、医療への負担軽減をめざすことが急務であり、感染抑止優先策は当然のことと受け止めます。しかし、今回19時以降のお酒の提供を止め、20時閉店としましたが、その時間設定の説明は少なく、協力金は営業補償ではないため、店舗規模は関係なく一律なことへの疑問視する声もでています。さらに、時短要請に応じない店舗名を公表することが可能となっていますが、市民同士を監視しあう社会への助長とならないか気になるところです。
 
 さらに、今回の協力金は営業時間の短縮に応じた飲食店へのものであり、影響を受けている業種は広範囲となっています。厚労省が2020年2月から集計している解雇数は、今年の1月6日現在で80121人に上り、今回の非常事態宣言では、さらに増えることが想定されます。昨年5月25日以降の集計による非正規雇用労働者数の解雇は12月25日時点で38009人となり、預貯金額も低い世帯が多いパートや派遣・契約社員の解雇や雇い止は死活問題です。秋以降、自死数も増加しています。飲食業だけでなく、製造業など他業種への解雇も増え始めています。まずは相談体制の拡充や生活救済・再建策の検討など、生きることへの支援を進めることは必至です。長期戦となっています。調査をすすめ、制度の拡充の提案を進めます。

 
春の緊急事態宣言後のあと、生活が一変した人を支える活動から見える現実を記した本です。