インクルージョン社会をめざして ~重度障がいを持つ子どもの育つ環境整備を~

 川崎市と神奈川県教育委員会は、重度の障がいがある児童の通学先に特別支援校を指定した判断に対する司法の判断がありました。
 障がいを持つ子どもの成長を差別なく支援する社会にしていかなければなりません。一人ひとりが大切にされ、成長スピードの個人差も受け入れながら、育つ権利は障がいの有無に関係なく保障されるものと考えています。育つ場の選択は本人の意思が尊重されるべきです。
 しかし現在、公立小中学校の教員不足は大きな問題になっています。産休代替え教員すらも見つからず、学校運営に困難を抱える教育現場からの悲痛な声も届いています。県内では、2019年度4月83人の先生が未配置のまま年度がスタートし、年明け1月8日時点では218人未配置となっており、年度初めと後半では約2.5倍も未配置数が増えている現状があります。また教員志望の学生は減り続けており、改善の見込みには時間が必要とも言われています。現在、障がいを持つ児童生徒が地域の公立学校に通う際、親が同行する、もしくは親がボアランティアを探すことを求められるとも言われています。医療的ケアが必要な児童生徒が増えているなか、学校現場での受け入れ態勢が整っていないことは明らかで、教員の増員や人件費の拡充など早急な対策が求められています。
 また地域にある特別支援学校が隔離された存在になっていることは否めません。特別支援学校の子どもと、公立学校との交流は極めて限られたものとなっています。特別支援学校が地域に開かれた学校になるよう努力はされていますが、公立学校との交流は皆無に等しいものです。学校行事での交流や合同授業の開催などの実施をし、障がいを個性と思える環境を増やす努力を進めることが求められています。
 重度障がいを持つ子どもが希望する環境で育つための安心安全確保の手法は、先行している自治体調査をすすめ、特別支援学校と公立小中学校の交流の在り方も模索しながら、インクルージョンの地域づくりに向けた環境整備をこれからも提案していきます。