トライアスロン競技場がトイレ臭い?~東京湾の水質から考える~

   2001年12月内閣官房都市再生本部で決定された都市再生プロジェクト「海の再生」を東京湾で推進するための協議機関として東京湾再生推進会議が設置されています。東京都はもちろんのこと、神奈川県も川崎市もメンバーになっています。東京湾は閉鎖的海域のため、汚濁負荷量を発生源別に見ると生活系汚濁負荷量が7割近くを占めています。それは、下水管に生活汚水と雨水が同じ管で運ばれる合流式下水道がまだまだ多くあるからとも推測できます。実際、川崎市でも川崎区・幸区の全域と中原区・高津区の一部は合流式下水となっています。都市開発が南部より遅かった北部地域は生活汚水と雨水が別の管で運ばれる分流式となっていますが、その割合は、ほぼ半分程度と考えられます。
川崎市では大量の雨水が流れこみ、下水処理されずに川や海に放流してしまう事態を改善するために1977年に合流式下水道雨天時越流水対策を策定し、その後も合流式下水道緊急改善計画を国の指導のもと策定しています。しかし、事業評価シートのなかにも、未処理放流回数が2016年度に306回と記されています。処理能力や平均降雨量などを基にシュミレーションされ計算されたもので、実際に放流された数字ではないとの説明がありましたが、大量の雨など下水道菅に大量の水が流れるとポンプ場で処理されることなく、多摩川や東京湾に流されてると思われる回数とのことです。ここ数年は、ゲリラ的豪雨や大型の台風など雨水の量も増えている傾向があります。生活汚水垂れ流しにしないために、雨水貯水池やポンプ場から水処理センターへの送管路を太くするなどの対策を計画しているとのことでした。
ハード面の対策は行政計画で粛々と進めることが重要です。一方で、生活汚水について考えると、自然界で分解される石けんの利用を広めていくことも必要です。化学物質が含まれる合成洗剤や柔軟剤は自然界には存在せず微生物との共存は出来ません。さらにはPRTR法に含まれる劇薬が含有される洗剤もあります。川崎市には生活排水対策に関する指針が2000年に出され、市の施設でも市民も石けんを含む分解性の高い洗剤の使用拡大に努めることが謳われ、市は生活排水対策に係る情報や学習の機会を積極的に提供するとあります。東京湾の水環境改善のためにも、不要な化学物質を含まない石けんの使用の拡大を、市と市民と進めていきます。

浮島処理センターでも廃食油リサイクル石けんを使って作業着を洗濯しています