奪われていい命はひとつもない


 親からの虐待を受け、SOSを発信していながら、助けることが出来なかった事件が起こりました。被害にあった女の子の冥福をお祈りいたします。
そして、なぜ助けられなかったのか、しっかり検証し、他の自治体でも二度と同じことを繰り返さないために結果の公表を求めたいと思います。

 虐待という行為に依存をしているケースがあると聞きました。アルコールやギャンブルに依存するのと同じように、子どもを痛めつけることに依存してしまっているということです。依存症は病気であり、しっかり治療しなければ治りません。どんなに虐待が悪い。してはいけない。と頭でわかっていても、虐待をする行為は繰り返されてしまいます。親子の分離をし、子どもを一時保護所に隔離し、親子の再統合にむけて、面談を繰り返すやり方ではなく、依存症を治療させる方針を出していくことが必要なケースだったのかもしれません。学校や教育委員会、そして児童相談所だけでは解決できない問題があったのかもしれません。

 いま保育の現場では、子どもの育ちを支えるだけではなく、子どもの育ちから見える家庭をどのように支えるかが、大きな課題になっています。子育てしながら介護をしているダブルケアの家庭、共働きでも経済的に困難を抱えている家庭、もしかしたら親が障がいや病気を抱えている家庭、などなど、子どもだけでなく家庭全体を支えるソーシャルワークの視点が現場で求められています。現在の保育指針のなかにも「家庭支援」が盛り込まれていますが、保育園と他機関が連携して、複雑な課題を解決させるスキルをもっている保育士は足りていません。今回の虐待のケースも夫からのDVがあったとの報道もありました。
 家庭の困りごとを相談できる場所が、地域のなかに必要です。虐待の背景には、さまざまな家庭の困りごとが複雑に絡み合い、そのしわ寄せが子どもに向かっています。家庭の困りごとが複雑に絡み合うまえに、芽が小さいうちに、相談できる場所を地域のなかに作ることは、虐待予防にもつながります。
核家族化がすすむ神奈川県、川崎市でも、決して他人事ではありません。SNSなどで繋がっているようでも、肝心な相談をする人がいない。と答える親がいます。神奈川ネットでは、保育の現場に家族支援に繋がるソーシャルスキルを充実させるよう提案していきます。それが、ちいさな命を救う一歩になると信じて。

*写真と記事は関係ありません。