生活困窮者自立支援から見る地域包括ケア

2017年11月21日 21時11分 | カテゴリー: 活動報告

 11月12日高知市で行われた「生活困窮者自立支援 全国交流研究会」に参加してきました。この日は、分科会が行われ、生活困窮自立支援から見る地域包括ケアについての発表を聞きました。

 地域包括ケアは、高齢者の方への支援を起点に議論が始まっていますが、生活困窮者自立支援をすることこそが地域を巻き込み、包括的に進められるべきものだとの報告がありました。

 高知県南国市(なんこくし)社会福祉協議会からの報告では、就労カフェの取組みがありました。就労準備事業の一つとして、カフェで働くことで就労を意識することに繋がり、その売り上げで基金を立ち上げ、就労のためにハローワークに行く交通費が無い人や食べるものがない人への支援に使っているそうです。そしてカフェを開催する趣旨を地域に説明することで困窮者の実態を伝えることができ、地域の理解や支援が拡がっているそうです。さらにカフェは、子ども食堂の役割も担い、高齢者の居場所にもなっていると真の包括ケアに繋がっている事例が紹介されました。小さい町で、準備事業や訓練事業を引き受けてくれる企業が少ないのであれば、作れば解決できるとの姿勢から出来たカフェは地域の課題を包括ケアの拠点となっています。
 包括ケアを進めるには行政内施策やケース解決にむけての連携は必須です。そこで三重県伊賀市では福祉と医療の連携を図るために連携調整課を設け、会議の調整や施策の調整を行っているそうです。地域包括ケアには医療と福祉の連携は不可欠です。縦割り行政のなかで、横ぐしを刺す調整課の役割は大きいとのことでした。
 そこで問題になるのは個人情報の扱いです。東京都豊島区からは、豊島区個人情報保護審査会において、一定の情報を行政内で共有できるように審査し環境整備をしているとの報告でした。日本の福祉施策は該当者本人が窓口に来ることから支援が始まります。しかし、その窓口に来ることすらできない人、制度や支援を知らない人などへのケアの重要性は以前からの課題です。アウトリーチを進めるための個人情報の扱いはどの自治体でも課題となっています。豊島区の取組みはとても興味深いものでした。

地域包括ケアを進めるには、いろいろな課題を抱え多様な年齢を対象している生活困窮自立支援制度を軸にしていくことの事例はどれも納得いくものでした。制度の縦割りではなく、制度を包括して考える視点を持ちながら、県でも提案できるものもある気づきがありました。