合計特殊出生率2.07は実現できる?

2016年2月18日 18時50分 | カテゴリー: 活動報告

神奈川県が将来の人口動向を分析し、課題と解決に向けたビジョン等を将来展望した「神奈川県人口ビジョン」案が策定され議会に報告がありました。

県の総人口は909.6 万人で最近は緩やかになっていますがまだ微増を続けています。しかし、生産人口(15〜64歳)と年少人口(0〜14歳)はすでに減少しています。合計特殊出生率も1970年2.13 でしたが、2005年1.19となり、様々な子育て支援策を打ち出しながら2014年に1.31に回復していますが、若年女性の数が減ることから出生数の大幅な増加は期待出来ない状況です。

さらに、結婚して子どもを産みたい人の希望がかなえられた場合の「希望出生率」(*)も、神奈川県は1.42です。このままでは、人口減少は加速していくだろうと誰でもが予想できる状態になっています。

これは数年前から、ずっと言われている超高齢化社会の到来であり、経済への影響だけでなく、都市機能の維持が困難になるとも言われ、お店がなくなる。とか、バス路線が維持出来なくなる。とか、水道・下水の維持管理も出来なくなるなど、介護や医療だけでなく生活全般に影響が出てきます。

そこで、今回の人口ビジョンでは、神奈川県は2050年に向けて、合計特殊出生率を現在の1.31から人口維持できると言われる2.07の水準をめざします。

え????と思われませんか。希望出生率でも1.42。希望している人全てが、希望通りに出産しても2.07には遠い数字です。
ある自治体の子育て中の女性職員に昇級を望むか。との問いに70%以上が望まない。と回答してそうです。公務員は働きやすい職場。とも言われています。それでも子育てと仕事の両立は厳しいと言わざるを得ない現状があるのだと思います。

この人口ビジョンの数字が独り歩きすれば、女性は産めよ増やせよ。と言われ、仕事と子育ての両立に苦しむことになってしまうのでは。と恐怖にすら思えてきます。

子どもがいる・いないという価値を押し付けることなく、1人ひとりが生き方を選択し、子育てと仕事の両立が無理なくできる社会のしくみとは、どのような社会なのか。子育て中の人や若者、そして 女性の視点が必要とされています。

神奈川ネットでは縮小社会に向けて、コンクリート優先社会から福祉優先の社会への転換を図るべきと訴え続けています。地域社会を豊かにし、1人ひとりの価値に合わせた生き方を選択できる社会保障制度や保育や介護のしくみが必要です。縮小社会に向けて、さらに調査研究を続けていきます。

*希望出生率の算出方法
{(有配偶者割合× 夫婦の予定子ども数)+ (独身者割合× 独身者のうち結婚を希望する者の割合× 独身者の理想子ども数} × 離別等効果